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2025.11.19
正直、お見合いってこんなに緊張するものなのかと、初めての時は思った。普段は営業で人と話すのも慣れてるし、会話には自信がある。でも、ホテルのラウンジに入った瞬間、空気が違った。周りを見渡すと、明らかにお見合い中の人たちばかりで、なんだか場違いな気がして、余計に肩に力が入った。
席に着いて、相手の女性が来るまでの数分がやたら長く感じる。プロフィールは頭に入れてきたけど、いざ目の前にすると、何から話せばいいのか迷ってしまう。仕事の話?趣味?家族構成?でも、どれもお見合いらしい話題で、なんだか型にはまってる気がして、会話が弾まない。
何人かとお見合いを重ねていくうちに気づいたのは、毎回同じような流れになってしまうこと。自己紹介して、仕事の話して、休日の過ごし方を聞いて、相手の反応を見て…。でも、ある時ふと、雑談から始めてみた。昨日食べたラーメンが美味しかった話とか、最近見た映画の話とか。すると、相手の表情が柔らかくなって、笑顔が増えた。その瞬間、「あ、これだ」と思った。
プロフィールに沿った話も大事だけど、それだけじゃ印象に残らない。むしろ、ちょっとした雑談や、何気ないやりとりの方が、相手との距離を縮めてくれる。もちろん、話しすぎてもダメだし、聞き役に徹しすぎても空回りする。バランスが難しい。でも、そこを意識するだけで、会話の質が変わる。
そして、意外と大事なのが「見送り」。お見合いが終わって「今日はありがとうございました」と言われて、ラウンジの前で解散するのが普通だと思ってた。でも、ある時「駅までご一緒しましょうか」と声をかけたら、相手が少し驚いた顔をして、それでも「はい」と答えてくれた。駅までの数分間、さっきまでよりも自然に話せた気がする。あの時間が、次につながるかどうかの分かれ目だったのかもしれない。
もちろん、断られることもある。「トイレに寄って帰りますね」と言われたら、もうそれ以上は踏み込めない。でも、それも経験。その一言に込められた意味を受け止めるのも、婚活の一部だと思う。
お見合いは、人と人が出会う場だからこそ、型にはまらず、心を込めて向き合いたい。緊張してもいい。うまく話せなくてもいい。でも、相手の心に少しでも残るような時間を作れるように、自分なりの工夫をしていきたい。そんなふうに思っている。
お見合いを重ねるうちに、少しずつ慣れは出てくる。でも、それは「うまくいくようになった」という意味じゃない。むしろ、慣れが出てきた頃こそ、気をつけないといけない。会話のテンプレートができてしまって、相手の表情や空気感を感じ取る余裕がなくなってくる。自分が話したいことだけを並べて、相手の反応を見逃してしまう。そんな瞬間が、何度かあった。
ある女性とのお見合いで、話している途中にふと気づいた。彼女は笑ってはいたけど、目が笑っていなかった。その時、自分が話すことに集中しすぎて、伝えることを忘れていたんだと思った。それからは、話す内容よりも、相手の表情や間の取り方、声のトーンに意識を向けるようになった。すると、同じ話題でも、反応がまるで違ってくる。
婚活って、正解がない。プロフィールが完璧でも、条件が揃っていても、心が動かなければ意味がない。逆に、条件が多少合わなくても、会話の中で「この人となら」と思える瞬間があれば、それがご縁になる。
だからこそ、毎回のお見合いを練習じゃなく本番として向き合いたい。相手にとっても、今日が初めてのお見合いかもしれないし、最後のチャンスかもしれない。そう思えば、自然と丁寧になるし、誠実に話そうという気持ちが湧いてくる。
見送りの一言も、雑談の一言も、すべてがその人との最初の記憶になる。それが、次につながるかどうかの分岐点。だから、どんなに緊張していても、どんなに不安でも、最後まで自分らしくいられるようにしたい。
婚活は、相手探しじゃなく、自分の心と向き合う時間でもある。そう思えるようになってから、少しずつだけど、出会いの質が変わってきた気がする。そして今も、次の一歩に向けて、また一つの出会いに向き合っている。
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